曲尺の断面形状
日本建築にかかせない便利な道具「曲尺」。その断面には様々な形状があります。
今回は、そんな曲尺の断面形状についてご紹介します。
●曲尺のJIS規格について
【 金属製角度直尺(曲尺)のJIS規格 】JIS規格 B 7534(抜粋)2023年7月現在
曲尺は、材料・寸法・形状などが「JIS規格」によって定められています。その中で、曲尺の断面形状は「A形」・「B形」・「C形」の3つに分けられています。各断面を詳しく見ていきましょう。
1. A 形
A形は、曲尺の中央に「沢」と呼ばれる溝があり、指で押さえやすい形状です。墨つけ作業の際、にじまないように側面に隙間ができる構造になっています。
木造建築などの仕事に適した曲尺です。
【 主な製品 】
・曲尺「角厚」→ こちらから
・曲尺「名作」→ こちらから
2. B 形
B形は、曲尺の長枝に「沢」と呼ばれる溝があり押さえやすく、短枝は平たいので、白柿(しらがき)[精密な加工をする際に使用する片刃のケガキ道具]や鉛筆などでケガきやすい形状です。白柿はケガく際、当てている定規を押す力が強い為、薄い曲尺ではその力に耐えられずケガキ線が曲がってしまう場合がありますが、B形は力に耐える重厚な曲尺です。厚みがある為、直角が狂いにくく、しなりません。
建具、さしもの(指物・くぎを用いない木工家具)などの仕事に適した曲尺です。
【 主な製品 】
・曲尺「巻金」→ こちらから
3. C 形
C形は、曲尺の角と竿が平たいので材料にピタリと当てることができ、鉛筆やケガキ針でケガキやすい形状です。
土木、鉄骨などの仕事に適した曲尺です。
【 主な製品 】
・曲尺「平ぴた」→ こちらから
・曲尺「広ピタ」→ こちらから
・曲尺「厚手広巾」→ こちらから
曲尺の断面形状の違いには、便利で使いやすい工夫があります。
用途に応じてお選びください。